
第1話 - 死に戻り姑、今世では嫁の最強の味方になる
海汐市にその名を馳せる大慈善家であり、女性起業家でもある藤堂真珠。その彼女が死の淵をさまよっていた時、息子の嫁である清川雅が現れた。 その時、藤堂真珠は初めて知る。かつて自分が息子の藤堂友哉を庇い、良き嫁であった関口月奈を追い出したこと。そして今、息子が投獄されたのも、すべては清川雅が画策したことだったと。雅の目的はただ一つ、真珠に取って代わり、藤堂家の主となること。 良き嫁を追い出したことを、藤堂真珠は激しく後悔した。そして、目を閉じるその瞬間、彼女は良き嫁、関口月奈の幻影を見る。もし来世があるのなら、必ずや息子を贔屓したりはしない。この手で、関口月奈を必ず守り抜いてみせる、と藤堂真珠は固く誓った。 しかし、藤堂真珠が再び目を開けると、なんと三年前へと時を遡っていた。 その日、良き嫁である月奈が病院で妊娠を告げられ、そして執事の娘である清川雅が男児を身籠っていることが発覚した日だった。 前世の今日、藤堂真珠は息子と月奈の離婚を黙認し、月奈のお腹の子さえも守ることができなかった。ただひたすらに息子と雅を贔屓し、この日、雅が藤堂家に入ることを許してしまったのだ。 だが、やり直しの機会を得た真珠は、迷わず病院へと駆けつけ、息子夫婦の離婚を阻止する。そして、良き嫁である関口月奈の後ろ盾となり、彼女のために采配を振るうのだった。 しかし息子は雅の言葉ばかりを信じ込み、彼女こそが自分の良縁だと聞く耳を持たない。息子の性根の腐りように、真珠は彼を家から追い出し、すべてのカードを停止させると、ただ良き嫁の月奈だけを連れて家に帰った。 藤堂友哉と清川雅は、これが真珠からの試練であり、じきに自ら迎えに来てくれるだろうと高を括っていた。しかし、真珠が関口月奈を庇う決意は鉄のように固い。その覚悟を悟った藤堂友哉は、ついに頭を下げるしかなかった。 その頃、藤堂真珠は息子がなぜあれほど清川雅に尽くすのか、その理由も突き止めていた。なんと雅は、藤堂友哉の命の恩人になりすましていたのだ。かつての交通事故の際、友哉を救ったのは、良き嫁である関口月奈だったのである。 真実を知った藤堂友哉は、深い罪悪感に苛まれ、心から関口月奈に懺悔し、過ちを認めた。 こうして、藤堂真珠の嫁を守る戦いは成功し、息子夫婦はわだかまりを解いて、家族は幸せに暮らしたのだった。




